「攻め+守り」の資産運用
まずは「目標設定」
現役世代の方は、まず目標設定からはじめましょう。
「〇〇歳で金融資産〇〇〇〇万円」といった目標です。
家族構成、現在の資産や年収によって、目標は一人一人違います。
ここでは、「60歳(退職時)で金融資産3,000万円」との目標を前提に、以下の説明をします。
理由については、 リタイアメント・プランニング のページをご覧ください。
これから必要となる貯蓄額を計算
目標が決まったら、次は「60歳までに追加でいくら貯蓄する必要あるか=追加貯蓄必要額」の計算です。
追加貯蓄必要額 = 3,000万円-(現在の金融資産額+退職金予定額-退職時の住宅ローン残)
前提として、毎月の基本生活費や住居費、教育費、自動車購入費、旅行娯楽費、保険料などは毎月の収入やボーナスで賄っていくこととしています。もし賄えていない状況であれば、資産運用の前に、家計改善が必要になります。
住宅ローンは、退職時に退職金で一括返済をする前提にしています。
現在の金融資産額が1,000万円、退職金予定額が2,000万円、退職時の住宅ローン残が1,000万円とすると、
追加貯蓄必要額=3,000万円-(1,000万円+2,000万円-1,000万円)
=1,000万円
60歳までにどうやったら1,000万円が貯めるか、です。
現在の金融資産を運用して得られる利益も期待できますが、1,000万円を1.0%で10年間運用した場合でも利益は約100万円なので、追加で必要な1,000万円には足りません。追加での貯蓄が必要です。
毎月の貯蓄額を確認
60歳までに1,000万円を追加でためるのは毎月いくら積み立てをすれば良いのでしょうか?
1%で運用できたとして、スタートする年齢別の必要な毎月の積立金額は次の通りです。
40歳(20年間運用) 毎月 3.8万円
45歳(15年間運用) 毎月 5.2万円
50歳(10年間運用) 毎月 8.0万円
55歳( 5年間運用) 毎月16.4万円
年齢が上がるにつれ、収入が増える一方で教育費がかからなくなったりと、家計収支も変化してきます。毎月・毎年に可能な積立金額も変わってきますので、最初は少なめにスタートして段々と増額していく、という方法でも構いません。
運用商品えらびのポイント①「手数料」
積立金額が確認出来たら、いよいよ「積立の運用商品えらび」です。
これは、一概には言えません。
家族状況、資産や年収、これまでの投資経験などを踏まえたリスク許容度が一人一人違うからです。実際のコンサルティングを行う場合には、状況を伺った上で、一人一人に適したポートフォリオの考え方と運用商品の説明を行います。
ここでは、皆さんに共通することとして、2つの大事なポイントを説明します。
1つ目は、「手数料」。
投資信託には3種類の手数料がかかります。それぞれ、投信の種類や販売会社によって違います。
①申込手数料(購入時の手数料) :無料~4%程度
②信託報酬(保有期間中の手数料) :0.2%~3%程度
③信託財産留保額(売却時の手数料):無料~0.5%程度
購入すると3種類の手数料が全てかかります。
①②はそれぞれ購入時と売却時に1回かかるだけなので、長期で保有すれば年間あたりの料率は小さくなりますが、②は保有している期間中はずっとかかります。
毎年1%の運用をしたいと頑張っているのに、②の手数料だけで毎年3%もとられたら痛いですよね。差し引きで最低でも毎年4%は値上がりしていかないと損になります。
投信では、①と③に関しては出来れば無料の商品を、②について極力安い商品を選択してください。
株式でも、売買ごとに手数料がかかります。
例えば、SBI証券では取引金額10万円までの手数料は97円なので、毎月5万円の積み立てを株式で行うとすると、毎月97円の手数料を払うことになります。年間でも1,000円ちょっとなので、さほど気にならないかもしれませんが、安ければ安いほど助かりますよね。
スマホ専用のネット証券会社では、手数料ゼロのところも出てきています。(スマートプラス株式会社)
手数料は安易に考えがちですが、実は損益を左右する大事な要素です。シビアに見て下さい。
ポイント② 「時間リスク」
2つ目は、「時間のリスク」です。
「時間のリスク」とは、「運用期間をどのくらいとれるか」です。
個人の資産運用者が、機関投資家やヘッジファンドなどのプロのファンド・マネージャーに比べて、圧倒的な強味とし持っていものは「時間」です。ファンド・マネージャーは毎年の評価なので、どうしても1年の間に決着をつけなければなりません。一時的な下げで、いずれ戻ると思っていても、損切りが必要になることもあります
一方、個人は短期的な価格の動きを気にする必要はありません。一定期間内に売る必要もありません。毎月積み立てを繰り返していく事で、価格が下がっている局面では平均購入単価を切り下げながら、回復を待てば良いのです。
これは、運用期間が長いほど有利です。
投資信託や株式で運用している限り、リーマンショックのように、相場が大きく下げるもことも1度ぐらいあるかもしれません。しかし、10年以上の長い期間があれば、相場は必ず回復してくるのが過去からの経験です。下げた局面で購入した分は、利益を生む優良資産になっていく可能性があります。
スタートが遅く運用期間を長くとれない方は、「時間のリスク」が大きくなります。
ポートフォリオを組む際に、株式や株式中心の投資信託は避けるのがよいでしょう。高格付けの債券、債券中心の投資信託、債券・株式のバランス型投資信託、といった値動きが安定している商品を中心にポートフォリオを組むことをお勧めします。
料金
相談料 : 8,000円/1回(60分) 延長の場合 +4,000円/30分ごと
*事前に、お知りになりたい金融商品をご連絡ください。
*相談料には当方でのご説明資料作成も含みます。
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