FPいわかみ
お役立ちコラム
有料老人ホームとサ高住のちがい ③
提供サービス
第3回は、提供サービスの違い、について説明します。
▮法定の提供サービス
有料老人ホームもサ高住も、法律で提供するサービスが決められています。
有料老人ホーム:次のいずれかを提供していること
・入浴・排泄・食事の介護
・食事の提供
・洗濯・掃除等の家事
・健康管理
サ高住:・状況把握(安否確認)+・生活相談サービス
どのようなサービスなのか、具体的に見ていきます。施設えらびをする際のチェックポイントも説明します。
▮有料老人ホーム
①~④の「いずれか」を提供していれば、法律は満たしていることになりますので、提供するサ-ビス内容は施設で異なります。一般的に提供されているサービスは次の6種類です。
①介護サービス(入浴や排泄介助)
②食事サービス
③家事や買い物代行
④リハビリ
⑤認知症ケア
⑥レクリエーション
①介護サービス(入浴や排泄介助)
自力での入浴が難しい入居者への、入浴時の介助サービスです。着替え、洗体・洗髪、侵浴、清拭、乾燥など、入浴の一連について必要な介助をします。
大抵の施設では頻度が決まっているので、その回数を確認して下さい。また、介護度が上がって寝たきりや車椅子使用の場合は、機械浴やリフト浴が必要になります。設備の有無を確認してください。
排泄介助は、トイレへの誘導やおむつ交換などです。
必要な際にスムーズに介助してもらえるかは、スタッフの人数にもよります。夜間も含めた職員体制を確認してください。
②食事サービス
食堂で提供されることが一般的です。
チェックポイントとして、3つあげておきます。
1.毎回の食事の種類(複数種類から選べるか)
2.体調不良の際の特別食や居室デリバリーの有無
3.嚥下力が低下した場合の対応(きざみ食やミキサー食の有無)
③家事や買い物代行
居室の清掃・整理、衣類の洗濯、リネン交換、買い物代行、宅配便の受付・管理など、生活を送るための環境を整えるサービスです。
介護度が上がり、居室で過ごす時間が長くなると、室内やリネン・衣類の清潔を保つことはとても重要です。
施設の人手が足りなくなると、真っ先に影響が出るのが清掃といわれています。居室に加えて、共用部分のトイレやお風呂の清掃がちゃんとされていて、清潔が保たれているかをチェックしてください。
④リハビリ
リハビリは理学療法士などの専門スタッフが行います。専門スタッフは、リハビリの種類(身体、生活、言語)によって異なります。
専門スタッフが常駐している施設もありますし、医療機関と提携している施設もあります。
どのようなリハビリのプログラムがあるのか、入居者ひとりひとりにあったプログラムを提供しているのか、を確認してください。
⑤認知症ケア
認知症にはさまざまなタイプがあります。進行スピードや出てくる症状もひとりひとり違います。ケアには、これまでどのぐらいの認知症の方をケアしてきたか、の経験が鍵となります。
認知症の入居者への対応方針に加えて、受け入れ経験、現在の認知症入居者の有無、スタッフの認知症ケア経験、認知症の入居者専用フロアの有無などを確認してください。
⑥レクリエーション
イベントやサークル活動です。
施設を見学すると、入居者の絵画や書道、工作作品などを展示していることがあります。自分の趣味を披露することは、生活の張り合いや達成感を味わうことにもつながります。そういった施設は、明るく楽しい雰囲気が感じられることが多いようです。
どんな活動があるのか聞いてみましょう。趣味をもって暮らしてきた方は、関連性のある活動の有無を聞いてみましょう。
各イベントやサークル活動の参加人数も確認してください。出来れば、活動の記録写真も見せて貰うとよいです。特定の入居者だけが参加している様子であれば、グループが出来ている可能性があります。
▮サ高住
①状況把握(安否確認)
サ高住では安否確認を義務付けられていますが、具体的な方法は施設に任されています。実際に行われている方法は、「人による確認」と「システムによる確認」に分かれていて、複数の方法を組み合わせて安否確認行っているのが現状です。
人による確認:
・毎朝定時にスタッフが居室訪問
・食事時に確認
・夜間に見回り
など
システムによる確認
・カードキーで入外室をモニター
・水道・電気・ガスの使用状況をモニター
・居室内に人体感知センサーを設置
・居場所が確認できる装置を身に着ける(認知症対応)
システムによる確認は、普段の生活では気にすることがないので、入居者にとっては利便性が高いです。
施設えらびに際しては、どのような方法で安否確認を行っているかを確認してください。
また、緊急時の通報サービスも確認してください。一人暮らしで、居室内で突然倒れたという場合などは事務室に電話するのは無理。ボタンを押したらスタッフに通報できる、といった緊急通報サービスがあると安心です。
②生活相談サービス
居室内の困りごとや、介護の全般的な相談や手配サポート、家族からの伝達代行、といったサービスです。例えば、電球の交換、家具や荷物の移動、バスや電車の時刻確認、などです。
簡単な内容であれば無料ですが、大抵の施設では作業ごとの料金を決めています。どのようなサービスがあって、料金はいくらか、を確認してください。
③その他サービス
サ高住でも、有料老人ホームの①~⑥のサービスを提供している施設もあります。法定以外のサービスについては、施設によってことなりますので、個別に確認が必要です。